超高齢社会において自立して生活を送ることが出来る健康寿命の延伸が重要
2022年春号
健康運動指導士・JNWL指導部講師 大方 孝
いつもお読み頂き有難うございます。
新型コロナウィルス対策の行動制限のない大型連休は3年ぶりとか。皆様はGWをどのように過ごされましたか。GWはほとんど仕事のスケージュルで埋まっていましたが、ミナカ小田原という江戸情緒かおる新しい観光施設(小田原神城下町と足湯)が駅近にできたということで10数年ぶりに小田原を訪れました。5月3日は、「北條五代 歴史と文化の祝典」という祭日に当たり、小田原城では火縄銃の演武や風魔忍者のパフォーマンスがあり、小田原城址公園から市内を北條五代武者行列のパレードも行われていました。イベントが開催されていることは全く知らずに訪れたものの幸運にも時代絵巻を観光することが出来ました。
小田原市を挙げて「北條五代 歴史と文化の祝典」というイベントが開催されていた割には市内の混雑はそれほどでもなく、城址公園や小田原漁港では行列が出来ていたぐらいでした。
ファミリー層や若者の人出が多いようでしたが、高齢者は地元の方ばかりのように感じられました。行動制限ないGWでも高齢者の方は、どこへ出かけても混雑しているということで、これまでの感染予防対策を継続して自粛しているのかも知れません。
今回は、巷で大ヒット中の「70歳が老化の分かれ道」(和田秀樹著)についての拾読みの内容をご紹介します。 (著者:和田秀樹 発行:詩想社 価格:1,100円)
2020年の国勢調査によると、日本人の平均寿命は、男性81.64歳、女性87.74歳。厚労省が公表した健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳(2021.12.20)でした。平均寿命と健康寿命との差は、男性が-8.96歳、女性が-12.36歳。男女とも元気過ごせるのは、どうやら70歳前半までのようです。日本人の寿命が延びる一方で加齢とともに広がるのが、「健康格差」。高齢でも現役を続けている人、寝たきりで他人から介助を受ける人。誰でも老化は避けられないものですが、それを早めるか、遅らせるかの違いは、著者曰く「70代の過ごし方」にあるといいます。70代は、まさに老いと戦う最後のチャンス。
若いころとは違う「食生活」と「運動」にその秘訣が…。70代前半では、認知症となっている人は1割程度だそうで、70代を努力して過ごすことでカラダと脳の若さを保つことが可能だそうです。
- 減らす食事から増やす食事~ちょいデブ(BMI25~30)の方が健康的で長生き
高齢になると自然と食が細くなり栄養不足に陥る恐れも。朝昼晩の3食に間食の1日4食。
70歳以上の2割に不足しているといわれる「タンパク質」を積極的に補うことが重要。
大いに肉や魚を摂取することで免疫機能の維持向上が図られる。好きなものは我慢せず美味しいもの食べて多幸感が得られると前頭葉が活性化するので脳の老化を予防し、鬱のリスクを減らす効果が期待できるそうです。
- 激しい運動は、かえって老化を早める。手軽で続けやすいウォーキングなどの有酸素運動がお勧め。
戸外で陽を浴びながらのウォーキングがお勧め。毎日同じコースを歩くのではなく、コースを変える。初めて行く場所、初めて見る景色があるほど脳には良い刺激が加わります。
階段昇降や坂の登り下りは、安全を確保しながら下りをしっかり歩く。下りは足がもつれがちになりますが、下り足に使う筋肉の方が早く衰えるので、下りに使う筋肉をしっかり鍛えることが大事です。
- 生涯現役 社会参加の勧め
カラダの衰えもさることながらココロの衰えが人を最も老いさせる原因。生涯現役で社会との関わりを持つことが老化防止の最高の薬、理想は就労すること。さもなければ、ボランティアに、趣味や運動のサークル活動に参加して社会との関わりを維持してシニアのセカンドライフを大いに楽しむことです。そして、70歳以降は、生活の中で「自分で出来ることを減らさないこと」を目標に、人との親交を深めたり、人生を楽しむ機会を増やすことが何よりも求められるのではないでしょうか。
ウイズコロナで「巣ごもり生活」が続き、運動を控えたり、中断してしまうと運動不足や人との関わり合いが減る状態が続き、高齢者では、筋力低下(サルコペニア)によるロコモ(運動器症候群)やフレイル(心身の虚弱状態)に陥ってしまうことが少なくありません。
さらに運動不足は、老化を早める要因の1つ。コロナ禍が終息に向かう今こそ、これまでの生活習慣を改めて見直して健康長寿をめざしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。