『巣ごもり生活は百害あって一利なし!!』

健康運動指導士・JNWLウォーキングライフマイスター 大方 孝

 いつもお読み頂き有難うございます。

地球温暖化の影響なのでしょうか、今夏も日中は35℃、夜間でも25℃を上回る日が続き、日常化しています。さらに、東京ではコロナの新規感染者が5,000名/日を超えるなど全国的にも変異株によるコロナ感染が拡大しています。

足掛け2年及ぶコロナ禍や夏の暑さでウォーキングなどの軽運動を控えたり、中断してしまうと運動不足や人との関わり合いが減る状態が続き、中高齢者では、筋力低下(サルコペニア)によるロコモ(運動器症候群)やフレイル(心身の虚弱状態)に陥ってしまうことが少なくありません。

この様な「巣ごもり生活」が続くと、運動不足がさらに進み老化を早めてしまう恐れがあります。

さて、最高気温が30℃を超える日に安全に運動を行うには、熱中症などの予防措置が必要となります。大量の汗をかき体内から水分の2%失われただけで、カラダに悪影響が出てきます。

猛暑でも暑さ対策をしっかり行えば運動を続けることが可能です。今回は、安全に運動をするためのお役立ち情報をご提供します。 

◎お役立ち情報①…暑いときは水分補給が欠かせない。

 人は汗をかくことで、体温上昇を防ぎ体温の調整を行っています。汗により失われた水分を補給しないと脱水になり体温調節能力や運動能力が低下します。そのため小まめな水分補給が必要となります。先ずは、運動開始30分前にはコップ一杯(180cc~200cc)程度の水分を補給し、運動中も同じような間隔でコップ半分程度を適時補給するようにしましょう。

◎お役立ち情報②…運動の前後に体重を測る。

 運動の前後に体重を測ることで失われた水分量を推測することが出来ます。運動による体重の減少が2%を超えないように体調を管理するようにしましょう。

◎お役立ち情報③…塩分チャージが欠かせない。

 発汗により水分だけでなく、ナトリウム(塩分)も失われます。人の体液の塩分濃度は0.9%に保たれています。水分の過不足は熱中症の原因になります。0.1%~0.2%塩分を含む経口補水液の補給が必要です。※補水液の例) 1ℓの水に食塩2g(ティースプーン半分)を溶かした液。

◎お役立ち情報⑤…服装やマスクにも配慮を

 暑い時に運動を行う際には、こまめな休憩と水分補給は欠かせません。さらに、服装にも注意が必要です。熱中症の予防に役立つ服装は、カラダの熱を放射させる機能がある素材と外気からの熱の吸収を抑える機能のある素材を選ぶことが大切です。吸湿性や通気性のある素材やUVカットの素材の服装を身に着けるようにしましょう。また、帽子の着用も必須です

◎お役立ち情報⑥…その他のポイント

①暑さに慣れる…暑熱順化

 高温多湿の環境下での体温調節能力が働くよう、短時間・低強度の運動から始め、暑さに徐々にカラダを慣らすようにしましょう。また、暑い日中を避け時間帯や場所などを選んで戸外での運動を行うようにしましょう。

②無理をしない…

 暑い時に運動を行う際には、環境条件に応じて運動強度を調節し、適時休憩を取り、適切な水分補給を行うことが重要です。体調不良、睡眠不足、疲労時には熱中症リスクも高くなるので注意が必要です。

③カフェイン・アルコールは避ける。スポーツドリンクも要注意…

 運動時にアルコールやカフェイン含む飲料を飲むと利尿効果が高まり脱水症・熱中症になり易  いので注意が必要です。また、スポーツドリンクには、電解質以外にエネルギーを補給する観点   から糖質が含まれているので、摂りすぎには注意が必要です。

④基礎疾患の服薬にも注意が必要…

 血圧や血糖値をコントロールする薬で利尿作用がある薬剤を服薬している場合は、熱中症になるリスクが高まるので、予め運動の可否をかかりつけ医に相談することが肝要です。

⑤マスクを外して休憩することも大切…

 コロナ予防対策として、夏季の高温多湿の中でマスクを着用して運動する場合は、熱中症のリスクが高まるので注意が必要です。発汗と呼気吸気により熱を発散し体温調節を行っていますが、マスクの着用により体温調節が難しくなり、熱が籠り易くなます。さらにマスクによる加湿で渇きを感じにくくなり熱中症リスクが高まります。密を避け、ソーシャルディスタンスを保ち適宜マスクを外して休憩を取ることも必要です。

巣籠生活で長期間に及ぶ運動不足は、足腰や心肺機能を衰えさせます。一度機能が低下すると動くことが億劫になり、さらに活動量が減少するという悪循環に陥ります。動かなければ、食欲もなくなり、ますます体力の低下を招きます。こうなると生活習慣病やフレイルなどのリスクが高まり、放置すれば寝たきりリスクや健康寿命短縮につながります。

そこで、日頃からウォーキングや水中運動などの中強度の運動をコツコツ行うことが、何よりも健康寿命の延伸に繋がります。

運動を行うことで次の様な効果が得られることが分かっています。

①自己免疫力の向上→感染に対する抵抗力

②ストレス解消→メンタルヘルスの改善

③体重コントロール→生活習慣病の予防改善

④体力の維持・向上→筋力維持・向上→フレイル・ロコモ予防

⑤血流の促進→腰痛・肩こりの改善、冷え性・便秘の解消、質の良い睡眠

運動は継続することが大切です。年間を通じて運動を続けることはすべての人の心とカラダに有益です。夏の暑い季節に限らず運動の前後の水分補給に加えて、一日を通して小まめに水分補給をすること。食事もしっかり摂り、良質な睡眠を取ること。つまり、運動・栄養・休養に不足が生じないように日々心掛けることが大切です。

(一社)全日本ノルディック・ウォーク連盟・公認ノルディックウォーク・ステーションとして、杉並保健所の協定事業でノルディック・ウォーク月例会やエンジョイノルディックウォーク倶楽部などで毎月開催しています。

運動が不得手な方、体力に自信がない方、腰・膝・股関節・肩などが気になる方には、2本の魔法の杖(ポール)を使うノルディック・ウォークとノルディックポールエクササイズ (ポールを使ったストレッチングと自重筋トレ) がお奨め。Let’s Go!! ノルディック・ウォークを一緒に楽しんでみませんか?最後までお読みいただきありがとうございました。