健康運動指導士・JNWLウォーキングライフマイスター 大方 孝
いつもお読み頂き有難うございます。
今年の梅雨は、全国各地で記録的な大雨による甚大な被害が発生しました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
また、関東地方でも日照不足の影響から夏野菜などが高騰。海の日を過ぎても、海開き・プール開きをしても天候不順で海やプールは、閑散としていました。
皆様お変わりございませんでしょうか?
今回は、「若がえりの秘訣…運動と筋肉との関係。その最新情報をについて」ご報告します。
運動は若がえりに役立つ? 筋肉から分泌される『マイオカイン』と運動との関係について皆様はご存知ですか。
近年、筋肉から分泌される『マイオカイン』という物質が注目されています。マイオカインは、細胞間情報伝達物質「サイトカイン」の一種です。特定の細胞で生産され、その細胞を増やすなど何らかの働きを持つ物質を言います。
近年の研究では、マイオカインが筋肉細胞で作られ、筋肉の肥大に係わっていることが分かってきました。さらに、運動をすることで分泌量が増え、健康に役立つ様々な生理作用(=例えば脂質代謝、糖代謝、インスリンの分泌促進、免疫細胞の増加)に効果があると言われ、皮膚の真皮層にあるコラーゲン生成に係わっているのではないかとも言われています。
◎マイオカインとは…
2005年、デンマーク・コペンハーゲン大学のペデルセン教授の研究チームが筋肉からホルモンが分泌されていることを発見しました。そのホルモンをマイオ(=myo/筋肉)+カイン(=kein/作動物質)から、マイオカインと命名しました。マイオカインは、筋肉で作られる物質の総称で、現在30種類以上の物質が発見されているそうです。
マイオカインは、筋肉細胞で作られますが、主に下肢の筋肉(=大腿四頭筋・下腿三頭筋)に負荷をかけるレジスタンスエクササイズにより分泌され、様々な臓器の働きと連動することが分かってきています。
◎マイオカインの効果…
①筋肉をつくる。②骨をつくる。③抗炎症。④免疫力を上げる。⑤脂肪を減らす。
特に、脂質代謝が高まると脂肪肝などの肝機能が改善され、肝機能が高まれば、糖代謝の代謝も改善され、血糖値が下がります。その結果、動脈硬化・高血圧・心筋梗塞・脳梗塞等の生活習慣病(=メタボ)の予防や認知症の予防につながります。
◎マイオカインを増やすには…
マイオカインを増やすには、運動と栄養がポイントになります。
①運動では、大腿四頭筋の筋トレ(=1日3セット、1セット10回のスクワット)とウォーキングを毎日続けることです。ワンちゃんのお散歩程度ではなく、広い歩幅で速い速度で歩行することで筋肉に負荷を掛けることが大事です。
②栄養は、たんぱく質を摂取することです。牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品に蜂蜜、チョコレートなどの糖を運動後1時間以内に摂取することで筋肉量アップ効果が期待できると言われています。乳製品以外にも筋肉増強栄養素であるアミノ酸の一種「ロイシン」を多く含む、鶏むね肉、豚ひれ、牛もも肉、鮭、サバ、大豆製品を朝昼夜バランスよく摂取することが大事。特に朝にロイシンを含む食材を摂ることが推奨されています。
前回の「若さを保つ秘訣」でも前掲しましたが、体重負荷運動が筋力維持向上を図る効果的運動で、特に下肢筋力のアップが生活の質の維持向上に繋がると申し上げました。
下肢の筋力アップにお奨めの運動は、ズバリ!! ノルディック・ウォークです。
ノルデック・ウォークは、両手にポール持って歩く「歩行運動」です。下肢に掛かる負荷を手に持ったポールが軽減するので、膝や股関節に掛かる荷重を3割程度軽減する効果があります。
さらに、ポールを使う動作は、上肢の運動に繋がり、結果的に全身運動となります。通常歩行と比べると歩幅も広がり、歩行速度も上がるので下肢の筋力アップには効果的な運動といえます。
また、ノルディックポールを使用した、スクワットやランジなどのノルディック・エクササイズとノルディック・ストレッチングは、関節などの負荷軽減と運動効果を両立できるので、すべての人々に有益で効果的なアスレティックスタイルです。そして、さらにマイオカインを増やすことに繋がる運動でもあります。
(一社)全日本ノルディック・ウォーク連盟・公認ノルディックウォーク・ステーションとして、杉並保健所の協定事業でノルディック・ウォーク月例会を定期開催しています。
「いつまでも若くありたい」と願う方には、何よりも2本のポール使うノルディック・ウォークがお奨めです。区民の方だけでなく、皆様も是非ご参加下さい。会員の皆様のご参加をお待ちしております。
運動が不得手な方、運動を続けることはとてもハードルが高いと思っている方には、健康運動指導士、ノルデック・ウォーク公認指導員など専門指導員の在籍施設であるスポーツハイツで健康づくりに適した歩行運動プログラムに参加することをお奨めします。
最後までお読みいただきありがとうございました。