AQUA HEALTH COMMUNICATIONS
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 水想観
Vol.20 平成16年8月

[ 介護は『快互』でなくては・・・ ]
 

 『介護』という言葉は、ある人物によって20年ほど前に造語され商標登録されていた。東京・両国に水泳帽や学童用水着で5割のシェアを持つ水泳関連用品メーカーフットマーク鰍フ本社がある。社長の磯部成文氏、その人が「介護」という言葉を創った人物である。氏によれば、「介護」この言葉には世話をする者と世話される者の両者の位置が示されている。今でこそ、バリアフリーとかユニバーサルデザインとか健常者にも障害者にもやさしい社会の仕組みが叫ばれている。しかし当時は障害者や寝たきり老人は社会の片隅で隠されるかのように暮らしていた時代だった。介護という言葉の誕生の裏には、供給者優位の社会から消費者優位の社会への転換を感じ取った感性と寝たきり老人などを片隅に置き放しにしようとする社会への静かな怒りがあった。そして、「介護は本当は『快互』でならなくてはならない。」と磯部社長は語る。

 社会情勢・家族形態の変化や高齢化により国の保健・福祉施策も推移してきた。1994年に「新高齢者保健福祉推進10ケ年戦略」(新ゴールドプラン)が成立、1997年には介護保険法が成立され、従来の行政の『措置』から『利用者本位の地域性の強い施策』へと方向変換された。また、介護保険によって、心身に障害を持つ高齢者の生活手段は確保されたが、わが国は世界でも類を見ない高齢社会を迎えることが予測されており、もし要介護比率が現在のまま推移すると国の社会保障制度が破綻することは必至である。そこで、21世紀の安定した社会保障制度のためには、身体機能の維持・向上を図り健康寿命を延伸し、健康増進や生活習慣の改善の促進することを目指して厚労省では「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)と「介護予防・生活支援事業」(補助金給付事業)が創設され、介護予防という新しい概念がつくられた。介護予防という言葉は、介護保険法の成立後につくられた概念で「高齢者が出来るかぎり要介護状態に陥ることなく、健康でいきいきした生活を送れるように支援すること」と定義されている。

 沖縄の「長寿bP」の地位に陰りが見えはじめている。厚労省が発表した00年の都道府県別平均寿命で女性はトップを守ったが、男性は前回95年の調査の4位から26位に急落、全国平均さえ下回った。所謂『沖縄クライシス26ショック』と呼ばれる。沖縄は長い間長寿県として名をはせてきた。長寿は「青い空や海とともに沖縄の観光資源」であり、「体にいい観光」をアピールしてきた。この急落の原因は「クルマ社会による運動不足」「沖縄の伝統食離れと米国式食事の影響」「アルコールの摂取量が多い」と専門家は分析している。要介護認定率(介護保健事業状況報告03年3月末)でも沖縄県は鹿児島県、徳島県に次いで第3位。また都道府県別の65歳以上の一人当たりの介護サービス給付額を見ると、最高の沖縄県が29万円に対し最低は埼玉県の15万円で2倍の格差となっている。

 大型台風6号が通過したばかりの6月22日、沖縄県で日本SC協会に加盟している3校のうちの1校である南風原町にあるKSSを訪れた。東京の指導者研修会で知り合ったインストラクターのRMさんとのご縁が二年越しで実現した。KSSでは、プールで行う水中運動を介護予防に役立てようとプール施設の隣に新たにデイサービスセンターを建設。開所に先駆けて水中運動プログラム研修会が開催され、スイミングのスタッフ他デイサービスに勤務する保健師や介護職員、事務職員、送迎バスの運転手等全員が受講した。「単なる健康づくりであれば、フィットネスクラブを造れば良いが、敢えて皆がやらないことにこそ価値がある。水中では浮力によって体重の負荷が減免するので、脚力の衰えた人でも動き易い。さらに水中での運動は水の抵抗によって効率的に筋力トレーニングが出来るので要介護者のリハビリも無理なく出来る。プール事業とデイサービス事業の相乗効果を狙った。」と、平良社長は語る。地域社会にスポーツ施設として“貢献”したいという平良社長の真摯な姿勢に感銘を受けた。

 二日間の研修会で、水中運動の講義や実技の他にロールプレイングを繰り返しながら水中リハビリプログラムの研修を行った。「沖縄の高齢者がいつまでもいきいきとした生活を実践出来るよう地域社会のコミュニティセンター機能として役立とう。健康づくりや介護予防のための水中運動プログラムを実施することで健康で活力のある長寿社会の実現を目指そう」という、真剣な眼差しで受講するスタッフの「志と使命感」に満ちた熱い思いがきっと『長寿県・沖縄』を復活にさせるのではないかという予感がした。

 自分の居心地のいい所にじっとしていては、新しいものは生まれない。積極的に外に飛び出し、挑戦してこそ社会に活力を与えることが出来る。逆に「沖縄からパワーを貰い、正直なところ負けてはいられない。」と思った。新たなビジネスチャンスの息吹を実感する沖縄行でもあった。これからも水中運動の普及・振興に微力を尽くし、一人でも多くの方々に『健康力』を身につけていただこう!と思う。頑張ろう!沖縄。沖縄からの情報発信が楽しみだ。ナルホド、なるほど。う〜む。早速、挑戦してみよう!

(有)アクアヘルスコミュニケーションズ
大方 孝

 
 

 

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