AQUA HEALTH COMMUNICATIONS
HOMEへ戻る
 水想観
Vol.11 平成15年11月

[ 世の中が変われば、規則も変わる?! ]
 

 時代や環境が変われば、自ずとその扱いも変化するのが世の習いというものだが、公設プールなどの利用規定やその運用が時代に追いついていないと言う事例を今回もご紹介したい。相も変わらず利用者不在の状況が罷り通っている。『プールで水中歩行するのに、ナゼ? 眼鏡をかけてはいけないのか!?』について考えてみたい。

 ほとんどのプール施設では、眼鏡をかけて入場することはできない。プールサイドまでは許可するが、水中では眼鏡の使用を禁止している。視力が弱いから眼鏡を使用しているのであって、伊達に眼鏡をかけている訳ではない。なのにである。特に最近では、公営プールの多くが水中歩行専用のレーンを設けているのにも係わらず眼鏡は使用禁止である。まして国民の半数をシニアが占めるという時代に、である。プールを利用したいなら、目が悪い者は度付きゴーグルを利用しろと言われる始末だ。これでは視力が低い者は公営プールを利用する資格はないと言わんばかりだ。

 スイミングゴーグルは水泳中に滅菌用に投入されている塩素やプール水から目を保護したり、衝突などの時に眼球をケガなどから保護するもので、水中での視界も裸眼に比べ数段優っている。しかし、あくまでも水中で使用する目的で作られているので水面上(陸上)では、極めて視野が狭く球面体の角などは歪んで見える。この為、身体機能が低下しいるシニアがゴーグルをつけた場合、視界を確保するため常に首を左右に動かして周囲を確認する必要性があり、なによりも見ずらいのである。シニアの多くは、自らの健康を保持する目的でプールに通い黙々と水中歩行に励む。公営プール施設は、これらの利用者の利便性や快適性を確保し、支援する義務を負うのでは? おのれの保身と責任回避のために、『安全管理上の観点』からとう詭弁を用い、利用者を規制するのは如何なものであろうか?!

 公共性の強い銭湯などでは、洗い場でも湯船でも眼鏡をかけていても、まず何も問題はない。利用者各自の自己判断と自己責任に委ねられている。どちらも眼鏡が床などに落下して破損すれば、裸足で入場しているだけにケガをする恐れもある。因みに東京ドーム「ラクーア」には、サウナの入口に眼鏡を置くケースが設置されているぐらいだ。プールサイドで眼鏡の利用がOKなら、プール内でもOKなはずだが…。なぜならば、眼鏡が落下した場合水中よりも、むしろプールサイドの方が眼鏡(レンズなど)が破損する可能性が高く危険なはずである。空気よりも800倍も密度の高い水中では、眼鏡が落下したとしても「ゆらゆら」と落下していき、破損する率は低いのでは?

 ただ、落下したものを踏みつけてしまつたり、手などが顔面に当たった場合にケガを負う危険性は否定できない。しかし、プール利用のルールとして多くの場合、泳力別にレーンが設定されていたり、泳ぐ方向も決められていたりする。さらにスイミングレーンと水中歩行レーンと区分けされたりしているので、衝突事故は少なく監視員の指導・注意も徹底しているので、よほど悪ふざけなどしない限り現実的には問題は少ないはずである。従って、水中歩行などの利用時に限って視力が低く眼鏡を必要とする利用者には、脱落防止クリップなどで対策をした場合は、眼鏡の利用を認めるという規則を是非とも作って貰えないものだろうか!?

 さらに、専用レーンで指導者がついて水中運動などのレッスンを行う場合などの指導下では安全性の配慮も行き届き問題はないはずである。また同様に指導者の中にも裸眼では、受講者の指導・安全の確保できず眼鏡の着用を必要とするもの者もいるはずである。

 ドイツなど欧州のプール温浴施設などでは、人がプールに入れば当然汚れるから、身体を洗ってから入れとか、プールサイドは専用のサンダルを使用してプールサイドの汚れをプール内に持ち込まないようにとか、足の裏の皮脂でプールの底が汚れるので直立姿勢の運動などでは専用のアクアシューズの着用を義務付けている場合も少なくない。なるほど合理的な理由だと思うのだが、わが国ではほとんどこれらのことは行われていないか、許可されていない。

 そのように考えると、水中歩行などで眼鏡の装着を禁止する理由は、どうやら何となく分った気がしてくる。そうー、中央官庁の外郭団体の某公団の総裁の言動に何処か似ていなくもない。世の中規制緩和が叫ばれ、構造改革の時代である。スポーツを楽しむ上で必要な規制は少ないほどいい。スポーツを快適に楽しむためには、公序良俗に反しない限り、柔らか頭の発想で快適な施設の運営を行って貰いたい。顔などを水に付けずに水の中を歩く目的でプールを利用する方が増えているご時勢だけに、また健康の維持増進を支援するという観点からも、設置者側の論理ではなく、利用者の立場に立って『眼鏡の利用』については、ご一考を。また、プール用品のメーカーの方は、この際『水中歩行専用の眼鏡』を是非とも開発していただきたいものだ。

(有)アクアヘルスコミュニケーションズ
大方 孝

 
 

 

ご意見・ご感想等お聞かせ下さい。

下記フォームに必要事項を入力して『送信』ボタンを
1回クリックして下さい。

お名前 :
所属名等:
ご住所 :
ご連絡先:
E-mail :

ご意見・ご感想など

  


<戻る>

有限会社アクアヘルスコミュニケーションズ
〒177-0052 東京都練馬区関町東 1-25-10
TEL/FAX 03-3928-1333
Email  info@ahc-aqua.com