AQUA HEALTH COMMUNICATIONS
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Vol.11 平成24年2月

 

第11回  「ヘルスケアは対話力 〜ほめて 感謝して 認めて〜」

 運動をすること、続けることの大切さ、素晴らしさを伝えることが出来るのは、現場で直接指導にかかわるインストラクターです。会員様に運動を効果的に継続・実践して頂く上で、運動指導をどのようにサポートし、その結果として健康づくりに導いていくかという“運動行動変容”の理論について共に学んでいます。さて、健康行動変容におけるコミュニケーションの方法ついて考えてみましょう。

 世に示すさまざまな成果(情報)をもとにした人々の健康行動では、例えば全員1日1万歩を歩くとは限りません。単にエビデンスだけを示して行なうべき正当性を説いたり、或いは行なわなければ「寝たきりになるぞ」と脅したところで、かえって逆に抵抗感や嫌悪感を与えてしまったり、「私には無理だわ」という諦め感を与える結果になってしまいます。そこで、より効果的な情報提供の方法を工夫する必要があります。


ヘルスコミュニケーションとは…

 「ヘルスコミュニケーション」という用語を米国疾病対策予防センターは、「個人および地域の人々が健康度を高めようと決心できるように適切な情報を提供したり、影響を与えたりすることを目的として行なわれるコミュニケーション方略についての研究および使用」と定義しています。ヘルスコミュニケーションは、@対象とする人たちの特長やニーズ、受け入れやすさなどを調査して、その人たちに適合した情報を提供して影響を与えるようにするものです。さらに、A対象となる人たちに対して効果的に情報を届けるための手段や伝達経路の選択やメッセージ内容を吟味するといった中身になります。


図「臨床コミュ二ケーション教育」(池田光穂著)より

 健康行動の変容を目的とした介入には、個別化の程度により@一般介入、Aターゲット介入、Bテイラー化介入の3つがあります。

 一般介入は、対象者をひとまとめにして一般的なメッセージを一律に伝えます。区市町村などで行なわれている健康づくり教室や運動教室などがこれに当たります。これらの教室では「常連さん」が多く、必ずしも必要な人に必要なサービスが提供されているとは限りません。その上、参加者のレベルに差があり、レベルの低い人には運動についていけないと思ったり、レベルの高い人にとっては運動が物足りないと思っている場合が少なくありません。その結果、参加者の出席状況や継続率に大きな影響を与えます。単純に指導者の能力の差ばかりとは言っていられません。

 ターゲット介入とは、問題を抱えている集団の特徴やニーズ゙を明確にして、その集団に特化した介入を行ないます。年齢・性別・疾患罹患リスクやレディネスの程度によって幾つかの下位集団に分け、それぞれの下位集団に適合した介入をすることをセグメント化と言っています。例えば、募集対象を「運動らしい運動を行ったことがない人」「運動を始める、続けることに自信のない人」などと最初からターゲットを絞り込んで募集をします。さらに、「自信のない人も、大丈夫。あなたに合わせてゆっくり指導します。」と付け加えれば参加者のレベルを揃えることが出来ます。その結果、指導者も一定のレベルに合わせた指導がやりやすくなります。つまり、ターゲット化介入とは、相手を絞り込み、その相手の特徴やニーズに介入内容を最大限合わせる。また募集に際しては相手が参加してみたいと思わせるような勧誘方法を考えることです。

 また、ターゲット介入がさらに進展した介入が「テイラー化介入」です。「テイラー化介入」では、個人に適したメッセージを配信する為にターゲット介入に加えて付加的なフィードバックが個々に与えられます。

 対象を1つのグループだけに絞らず、ある集団をある特徴によって分割し、それぞれの集団(下位集団)ごとに適合した介入を行なうことを「セグメント化介入」と呼びます。ある特徴とは、性別や年齢だけでなく好みやニーズなどによって分け指導内容や教室の内容をそれぞれの下位集団に合わせます。その結果、ある特定の集団において効果を最大限高めることが出来ます。誰にでも合うという内容は、裏を返せば誰にでも十分な効果が見込みにくいという内容です。従って、下位集団を決めてその集団に合わせていくことが結果的に全体集団の利益に繋がっていきます。その際に、セグメントとして分けていく変数を何にするかは、効果を高めるためのポイントになります。

 このように、ターゲット化、セグメント化を意識的に行なうことで、従来とは異なるアプローチが可能となります。その結果、従来のプログラムよりより多くの参加者が獲得でき、その後の継続率にも反映されることになります。

 さて、インストラクターの皆さんは、入会の勧誘や退会の防止などで対象となる人達に「説得」を試みた経験があるはずです。例えば、対象者の注意を喚起するようなメッセージや働きがけ、対象者の生活に関連させて話すこと。分かりやすい内容、相手に受け入れてもらいやすい内容などを盛り込みましょう。確かに、エビデンスは重要な裏づけとなりますが、単にそれを強調するだけでは、相手を「説得」することは難しいでしょう。
「楽しいレッスンは、コミュニケーションから」(4月号)、「コミュニケーションから明日につながる」(5月号)、「明日につながる…おもてなしをカタチに」(6月号)、「思いをカタチに…15秒の真実」(7月号)、「ウエルカム(ようこそ)をカタチに」(8月号)、「効果が実感できて、楽しく続けられるために」(9月号)をご参考に水中運動クラスや公開講座などに、この要素を上手く取り込みながら、これらの技法を大いに活用してプログラムの充実を図って頂き、その結果、新規入会者の獲得や退会者の防止につながれば何よりです。

【参考文献】
「行動科学を活かした身体活動・運動支援-活動的なライフスタイルへの動機付け」大修館書店
 ベスH.マーカス、リーアンH.フォーサイス著、下光輝一、中村好男、岡浩一朗〔監訳〕
「行動変容 健康行動の開始・継続を促すしかけつくり」  竹中晃二、(財)健康・体力づくり事業団

大方ことみ http://www.ahc-aqua.com/
健康運動指導士・JSCA公認メディカルアクアフィットネスインストラクター等
【水中運動を 楽しく・効果的に・安心に受講いただくために】
生活習慣病予防(メタボ&ロコモ)子育て支援、介護予防などお役立てください。

 
 

 

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