AQUA HEALTH COMMUNICATIONS
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Vol.28 平成20年7月

 

『見える化』の効果とは?


  今月もお読み頂きまして有り難うございます。
最近、新聞や雑誌、ネットなどの記事で『見える化』と言う言葉を目にする機会が多くなってきました。今、なぜ?『見える化』が注目されるのでしょうか? 『見える化』とは、一体”何の意味”で、どのような”効果”が見込まれるものなのでしょうか。
 〜さて、今月は従来とは異なる視点から、書籍のご紹介をしたいと思います。ローランド・ベルガー取締役会長、早稲田大学大学院教授である遠藤功氏の出版した「見える化―強い企業をつくる”見える”仕組み」(2005年10月発刊/東洋経済新報社)という著書の中で注目されているコンセプトについて共に学んでいきたいと思います。
 『見える化』とは、「ビジネスにおける問題を常に見えるようにしておくことで、問題が発生しても、すぐに解決できる環境を実現すると共に、問題が発生しにくい環境を実現する為の取り組み」と定義されています。この「見える化」を実現することにより、コスト上の無駄や改善の余地がどこにあるかなどを明確にして強い企業を実現できるとされています。
―強いトヨタを作り上げた”見える化”―
 “見える化”は、特別新しい言葉ではありません。そもそも“見える化”は、トヨタ自動車が企業改革における取り組みの1つとして導入したことで知られています。トヨタの“見える化”で有名なのが、既に皆様がご存知の「かんばん」方式、「あんどん」方式といわれるものです。トヨタの生産ラインは、何か問題が発生すると現場の担当者が「あんどん」を点灯することで、問題の発生を早期に知らせ、迅速に対応できるようになっているそうです。また、「かんばん」と呼ばれている仕組みでは、必要な部品や数量を書いた札(かんばん“見える化”)を生産工程でまわしていくことで、必要な部品を、必要な時に、必要なだけ調達できるムダのないJIT(Just in Time)生産を実現できるとされています。
 トヨタを強い企業にした要因の1つが“見える化”ですが、この“見える化”は、生産の現場だけで有効なわけではありません。例えば、ヘルスケアビジネスの現場でも、お客様に身体測定などを行い健康状態という行動指針を可視化しています。また、もっと身近な自分自身の職務分掌などを“見える化”することでより効率的に且つ効果的に職務を遂行することが出来るのではないでしょうか!?
 著者の遠藤氏は、“見える化”に注目するようになったきっかけを「私の問題意識として、日本企業がもう一度原点に立ち戻り、現場競争力を高めていかなければならないという思いが根底にあって、そのためには“見える化”を避けて通れなかったことからこのテーマに取り組み始めた」と言っています。
 また、遠藤氏は、「“見える化”という言葉は、一見誰にでも分かる言葉であるために、各自の解釈により独自の取り組みが行われていることが多い」「独自の取り組みが悪いわけではないが、本質的な部分を勘違いしている取り組みが多い。“見える化”というコンセプトは、分かりやすそうで、実は奥の深いもので、本質を理解することなく、闇雲に現場レベルで推進しても“見える化”を定着させることは難しい」と話しています。
 それでは、“見える化”の本質とは、一体どのようなことを指すのでしょうか? “見える化”の本質について、遠藤氏は、『共通の認識が持てること』と言っています。例えば身近な例として、“見える化”を考えて見ると、信号機は、赤・黄・青という3つの色だけで、全ての交通を制御する非常に高度な“見える化”の例と言えます。信号機では、誰もが赤では止まれ、黄色は注意、青は進めという共通の認識をもっています。その結果、赤・黄・青の3色で交通が制御されています。
 また、野球のスコアボードも“見える化”の格好の例で、スコアボードがあることで、現在何イニングなのか、どちらが攻撃中か、得点や打順、守備位置、アウトカウントなど、ゲームの状況を一目で把握することが可能です。これも、野球のルールに対する”共通の認識”があるからこそ、スコアボードだけでゲームの状況を把握することが可能なのです。
 さて、読者の皆様は、この『見える化-強い企業をつくる”見える”仕組み』抜粋概要をご覧になって、何か閃いた事はありましたか? 今、皆様の事業所では、どのようなことが業務上の問題や課題となっていますか? 同僚やアルバイトのインストラクターの指導上の悩みは、何かを知っていますか? スクールに入会している会員様は、何に不満をお持ちかご存知ですか?
 実のところ、会社の中には、見えているようで見えていないことばかりではないでしょうか? 遠藤氏は、「問題や異常がタイムリーに見えれば解決できる。人間は目に見える問題は、解決しようとする。見えないから解決出来ない。」と言っています。例えば、トヨタでは2004年3月期の純利益が1兆2千億円で1年間に2300億円のコスト削減を実現しているそうです。この2300億円のコスト削減は、トヨタの生産現場の地道な改善提案活動によって生み出されたものです。この業務の改善提案は、年間61万件提出されて、そのうちの91%は実行されているとのことです。
 また、花王はこれまで24年連続で増益を続けてきました。この要因の1つとして同社では、1986年より会社全体でTCR(Total Creative Revolution)運動を続けており、その成果として年間150億円のコスト削減を実現しているそうです。このように、「トヨタが2300億円のコスト削減を達成できたのは”問題”が見えたから。花王がある製品の改良を25回も行ったのは、顧客のニーズが見えていたからに他ありません。見えることこそが、競争力の原点になるのです」(遠藤氏)
 このことから、”見える化”は、”共通の認識を持てること” そして、見えないもの、聞こえない声などを”かたち“にして見える化(可視化)することが、ポイントのようです。
 〜さて、さて・・・プールでの健康づくりは、どうやら運動だけでなく、もっと詳しく手軽に会員様の身体状況を”見える化”してフィードバックしていく必要がありそうです?! 
〜なるほど、なるほど。最後までお読み頂きまして有り難うございました。読者の皆様に、何か良い”気づき”があれば幸いです。では、今月はこの辺で。

(有)アクアヘルスコミュニケーションズ
大方 孝

 
 

 

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