AQUA HEALTH COMMUNICATIONS
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Vol.18 平成18年6月

 

パブリックビジネスのポイントII

 不景気や業績が悪化すると、企業は一般的に先ず5K(=交際費・交通費・厚生費・教育訓練費・研究開発費)などの経費を節減します。特に教育訓練費などは、すぐに成果に結びつくものでもなく、また削減したとしてもすぐにダメージを受けることもないので、手っ取り早くコスト節減効果を上げるには都合の良い代物と言えます。
 話は変わりますが、優秀な四番打者を揃えた昨シーズンとは異なり、好調な成績を上げている「原ジャイアンツ」。原監督が掲げる『スモールベースボール』がチームに浸透して「for the team」の全員野球が奏功した開幕ダッシュでした。しかし、昨シーズンまでのジャイアンツを見る通り、野球は四番打者ばかりでは勝てないようです。やはり、組織には多用な能力を持った人材が必要で、それらの人材がチームワークのもとに協業してこそ、初めて組織の目的が達成されると言っても決して過言ではないと思います。
 野球に限らず、特にわれわれの生業である指導業務は、経験知や知識、技能・技術といった所謂「指導力」の伝承が競争力の源泉であるだけに、人材の補充や教育訓練を怠ると、競争力低下の回復には相当の時間と費用が必要となることは自明のことですが、分かっちゃいるけど止められないと言ったところでしょうか?! SC業界人としては、社内・外の研修を充実させて指導員の現場力をもっと高めて欲しいと思っています。
 さて、今月も前回に引き続いて『パブリックビジネス―民間から見たその魅力』について水中運動バカ一代の視点から、そのポイントについて整理してみようと思います。
 では、民間事業者にとって、パブリックビジネスはどのような魅力があるのでしょうか?! 一般に新規事業の立ち上げには、初期投資が掛り、事業には当然のことながらリスクを背負うことになります。しかし、指定管理者制度では、施設に対する投資は不要であり、事業に対するリスクも大きくはありません。また、行政からは、指定管理者料として安定した収入が得られます。さらに、自主事業や付帯業務から収入アップを図ることも可能です。
 また、事業展開戦略としても、類似施設を周辺の市区町村から受託する可能性も期待され、事業の拡張性が見込まれます。そして、何よりも市区町村からの事業の受託は、企業の社会的信用力を高め、その信用により、商品・サービスが信頼される相乗効果が派生するようになります。早いもので、2003年に動き出した指定管理者制度も2007年度には「再公募」が始まり、第2ラウンドを迎えることになります。次に参入への取り組みの手順とポイントについて整理してみます。
 指定管理者制度の応募としては、企画提案書を作成して、プロポーザルに参加することになりますが、とりあえず企画提案書を作成するまでの段階について整理してみます。

  1. 情報の収集…先ずは、参入したい公の施設に関する募集要項、指定導入事例などを収集します。指定管理者の情報を提供しているインターネットサイトを検索する。市区町村から発行している広報紙などから情報を収集します。
  2. 業種・市場情報…例えばスポーツ体育施設であれば、文科省の施策情報・各自治体の施策情報、大学・学会情報、セミナー情報などから戦略的な意図で情報を集め事業推進戦略に反映させていきます。次に当該施設情報を入手します。募集要項を入手したら、不明な点などを行政に積極的に問い合わせ、さらに地域住民が当該施設に求めているニーズ、シーズなどの調査も行います。
  3. SWOT分析…主にマーケティング戦略や企業戦略立案で使われる分析フレームワークで組織の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの軸から評価する手法を用いて事業戦略を検討します。
  4. 自社の位置づけ…自社の強み、弱みを把握し、当該施設に関する自社の現状位置づけを分析します。縦軸に業務ノウハウを、横軸に市場(当該施設)=顧客ターゲットとニーズ、競合他社の状況、商品・サービスの設定などを2次元のマトリック図に落し込みます。
  5. 事業の評価…市場規模、市場の成長性・拡張性、競合関係、リスクの度合い、などを検討します。
  6. KSF分析(Key Success Factor)…業務ノウハウ、提供サービス、企画力、業務改善力、コスト削減力、マネジメント力から見てどうか、などの成功要因を検討します。
  7. 事業推進戦略の明確化…(a)施設運営に関する経営理念・方針→どのようなビジョンで、どのような方針で指定管理者になりたいかを明確にします。(b)事業推進戦略=募集要項で希求されている要求事項に対して、具体的な対応する戦略を策定します。例えば、サービスの提供方法・基本方針や行動指針、管理方針や管理方法、収益ビジネスモデルとして利用者の拡大・自主事業の収益戦略、人権費・管理費などのコスト削減戦略などの内容を明確にします。さらに、SWOT分析の弱みの補完対策(他社とのコラボレーションなど)を検討します。その上で、人員配置計画と採用計画の策定、研修計画の策定などを明確にします。

 前回も申し上げましたが、指定管理者制度は行政の財政逼迫という背景から制度が導入されましたので、公の施設への民間経営手法による運営コスト削減と住民サービスの向上への期待は大きいものがあります。さらに、民間事業者には、新規サービスや新規事業の展開による地域との連携や協働による地域経済の振興や活性化なども希求されています。SC業界は、過去40年に亘る水泳指導の実績とその間培われてきたノウハウを活かし、積極的に公共施設の運営に係わり、是非とも地域の人々のスポーツ振興と健康づくりに貢献して欲しいものです。
 なるほど、なるほど。最後まで、お読み頂きまして有り難うございました。如何でしたか? 今回は、指定管理者制度について「民から見た魅力」という観点からその課題を検証してみました。では、今日はこの辺で。

(有)アクアヘルスコミュニケーションズ
大方 孝

 
 

 

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