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Vol.17 平成18年5月

 

パブリックビジネスのポイント

『世界を創った男 チンギス・ハン』―堺屋太一氏作の小説が日経新聞・朝刊に連載中です。今からちょうど800年前の1206年にチンギス・ハンによって「大モンゴル帝国」という人類史上空前の世界国家が建国されました。農耕民族は、今自分が住んでいる場所で畑を耕し、水を引き入れ種を蒔いて収穫を目指すのに対して、移動し続ける遊牧民は、一つの場所に落ち着かず草原を自由に駆け巡ります。遊牧民たちは、自ら出かけていって資源や食糧を求めるのです。だから、彼らにとっては「何処に資源があるのか」という情報こそが命運を握るカギになります。遊牧民は資源を作るのではなく、資源のある場所を察知してそこに行くというのが生活の基本スタイルなのです。従って遊牧民同士が出会えば情報交換に余念がないし、外部から入ってくる情報のありがたみを骨身に沁みて十分に理解しているのです。モンゴルの民は三千年の昔から水場を求めて、豊かな草原が広がる大地を求めて常に移動していました。そして、今日でも現代版の遊牧民の横綱・朝青龍や大関・白鳳は、現代風の「水場」を、そして「緑の草原」を求めて移動しているのです。
photo これを現在のSC業界に例えるならば、緑の草原が広がる大地は、まさに規制緩和によってもたらされた『官業の市場開放』であり、ビジネスチャンスは、遊牧民の情報収集力とチンギス・ハンの騎馬軍団のような機動力を有する事業者のみが「ハン=汗(王)」の座を獲得できるのかも知れません。
 さて、「今、なぜ?! パブリックビジネスなのか!?」。パブリックビジネスは、元々行政業務のアウトソーシング受託業務として従来から存在していた訳ですが、官から民へという規制緩和の流れの中で、指定管理者制度として公の施設に関するパブリックビジネスとして民間事業に開放されました。このことが、果して我々民間事業者にとって、どのような魅力があり、またさらに地域社会にとってはどのようなメリットがあるのか、を水中運動バカ一代の視点からそのポイントを整理してみようと思います。
 少子高齢社会が進展するなか、行政サービスに対する住民のニーズは多様化しているものの、財政の危機的な状況の中で十分な対応が出来ない状況となっています。そこで、民間経営手法のノウハウを活用して効率的な業務運営を行い、良質なサービスを提供する仕組みを構築する。その結果、新規雇用の機会創出や新たな投資と消費により地域経済が活性化して税収が図られれば、財政の改善にも繋がる可能性が見込まれる。このように行政・地域住民・民間事業者が「三方良し」の関係となる。つまり、トリプルウィンの関係を構築することがパブリックビジネスの基本的な考え方だと思います。
 パブリックビジネスの市場規模は、三菱総研によれば、全国で約40万施設、維持管理費で約10兆円とも言われています。私たちが直接係われる施設だけでも相当数に存在します。例えば、体育館は、都道府県で200か所、市町村5760か所、合計で5960か所あります。また、プールは都道府県で260か所、市町村で4410か所、合計で4670か所あります(資料平成14年度公共施設状況調査(財)地方財務協会)。それ以外に公園・公会堂・博物館・野球場・図書館などを含めると、今回の法改正により民間にも参入する機会が与えられたことは極めて大きなビジネスチャンスと言えます。
 では、「公の施設」の構造的な問題点は何処にあるのでしょうか? 逆の見方をすればその問題点こそが、イコール=ビジネスチャンスとなるのではないでしょうか! 従来の公の施設の管理委託制度の場合、行政の外郭団体が管理運営を行っていましたが、行政/外郭団体との関係において天下りや出向人事などが行われ、短期間の異動なども発生して経営面ガバナンスの問題も少なくありませんでした。さらに、事業に関しても単年度の予算執行が中心で、中長期的な経営計画が策定されにくいといった経営管理面での構造的な課題もあります。それ以外にも、公務員に準ずる待遇の職員が従事していることで、人件費のコストも高く、接客・接遇も顧客の満足度を高めるといった視点が低く、提供されるサービスも画一的と言わざるを得ない場合も少なくありませんでした。さらに、外郭団体が努力して経費の削減や増収を図っても、その成果は行政に吸い上げられ、外郭団体で有効に活用する仕組みがありませんでした。
 つまり、改善へのインセンティブが機能しにくい組織構造になっています。このことから、指定管理者制度はこれら構造的な問題点を根本的に改善しようというもので、ここに大きなビジネスチャンスが期待されているといえるのではないでしょうか。なるほど、なるほど。最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。

(有)アクアヘルスコミュニケーションズ
大方 孝

 
 

 

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