AQUA HEALTH COMMUNICATIONS
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Vol.9 平成17年9月

 

ベテラン指導員を活かせ!

 政府は7月28日に住民基本台帳に基づく人口調査結果を発表しました。総人口の伸びは前年同期比0・04%増と過去最低の伸び率で、「人口減少社会」の到来が秒読みとなりました。国立社会保障・人口問題研究所は、出生率が標準的な水準で推移した場合、わが国の総人口は06年にピークを迎え、07年から減少に転ずると予測しています。また、推計によると25年には65歳以上の高齢者が総人口の30%に達するとしています。さらに、00年から20年までに20歳〜34歳の若手人口が3割減少し、労働力人口が大幅に減ると予測しています。今回は、経済成長や社会保障制度などに大きな影響を及ぼす人口減少社会を目前に、『西暦2007年問題』について考えみたいと思います。
 かつて、コンピューター日付を「YYMMDD」としていたためにコンピューターの誤作動が懸念された、かの「2000年」問題。当時とは、少々異なり全社を挙げて対策が必要となるわけではありませんが、この『西暦2007年問題』は狭義の意味では、長年企業において大型汎用機などの基幹系システムを開発・保守してきたベテランSEたちが07年から引退してしまい、いままで培ってきた技術やノウハウなどが継承されず基幹系システムの維持が困難となる現象を指しているそうです。また広義な意味では、戦後ベビーブーマーとして生まれ受験戦争を生き抜き、ビートルズやグループサウンズに熱中し、わが国の高度成長を第一線で牽引してきた所謂「団塊の世代」が、07年度以降次々と60歳を迎えビジネスの第一線から引退することに当たって、よい意味でも悪い意味でもいろいろな社会現象を引き起こすのではないかと懸念されている問題を一般的に『2007年問題』と言っています。
 07年から10年に掛けて大量のベテラン社員が労働市場から姿を消すことで深刻な労働力不足が予測されるわけですが、特に1947年(昭和22年)生まれの約300万人とも言われている人たちが60歳を迎える年が07年です。そして、1949年(同24年)までの団塊の世代全体では、およそ700万人が退職年齢を迎えることになります。
 さらに、数だけの問題にとどまらず、団塊の世代が持つ高度な技術力やノウハウを次世代にどう継承していくか。わが国では「人に仕事が付いてくる」属人的な傾向が根強いので、さまざまノウハウは個人に帰属していることが多く、その人が退職してしまえば、そこでノウハウが途切れてしまう危険性を内在化しています。団塊の世代には長年の経験から蓄積された暗黙知とも言うべき知識があり、この蓄積された知的資産をどう承継していくかという問題も残されているのです。
 さて、この「2007年」問題をスイミングクラブ業界に例えて類推して見ると、1975年(昭和50年)頃から開設ラッシュを迎えるスイミングクラブ業界に就職した指導員たちも今年で就労30年を経過し、既に50歳前後の年齢となっています。スイミングクラブ草創期世代の彼らは、民間スイミングクラブの運営手法や指導方法の手本もなく、手探り状態から試行錯誤の末に苦労して現在のような指導法やシステムを構築してきた世代でもあります。また、会員管理についてもカードを利用した手作業(ファイリングシステム)からコンピューター化を主導・構築したのも彼らでした。彼らは、入社前後にオイルショックを、中年期にはバブル崩壊を経験し、「失われた10年」の中でリストラに見舞われ、まさに彼らの手によってマニュアル体系化された指導法で育った若手に仕事を取って変わられ、泣く泣く職場を去るという憂き目を数多く経験した世代でもあります。
 もしかしたら、現状の業界の窮地を生み出しているのは、長年にわたりスイミングクラブ業界の草創期から支えてきた活力のあるベテラン指導員をリストラしてきた結果ではないでしょうか?
 実のところ、現在どこのプールでもごく普通に見られるようになった水中運動のプログラムも、長年水泳指導に携わったベテラン指導員の知恵の賜物なのです。このように、長年の経験に裏打ちされた暗黙知とも言うべき技能やノウハウを持つベテラン指導員を活かしてこそ、蓄積された知的資産を承継することが出来るのでは?
 どうやらこの辺りに業界の栄枯盛衰を占うキーワードが潜んでいるのではないか!?と、「水中運動バカ一代」は思っています。頑張ろうぜ!!ご同輩!なるほど、なるほど。今日はこの辺で。

(有)アクアヘルスコミュニケーションズ
大方 孝

 
 

 

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