AQUA HEALTH COMMUNICATIONS
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Vol.7 平成17年7月

 

悲しい「介護予防」の現実

来年度の介護保険制度改正は、予防重視となることは、既にこの誌面でも何度か申し上げた通りです。ズバリ、制度改正のキーワードは『介護予防と地域ケア』ということになります。ご承知のように改正案では、要支援、要介護1の高齢者は、予防給付の対象者となり、予防訪問介護、通所介護、予防通所リハビリ、福祉用具貸与等のサービスを受けることになり、いずれも要介護度が重くならないような内容となっています。また、介護予防給付に導入される新サービスは、筋力向上トレーニングや栄養改善、口腔ケアなどとなっています。
 さらに、この『新予防給付』の設置により、市町村ごとに「地域包括支援センター」の設置も決定されて、地域における総合的な窓口や包括的・継続的なマネジメントを行うことになり、そこでの中心的な役割を保健師が担うことになります。
 また、今後は予防重視という観点から、現行の市町村が行っている老人保健事業、介護予防・地域支えあい事業などの保健福祉事業を再編して、要支援・要介護にならないために提供する効果的な介護予防サービスとして、「地域支援事業」が創設される見込みとなっています。
 このような『国の方針変換は、ビジネスチャンスの到来である』ということで、この介護予防で専門資格者の養成事業がスタートしています。一例を挙げると老化の研究で有名な「東京都老人総合研究所」は、介護予防の専門資格を創設しました。創設される資格は、高齢者に筋トレを指導する「介護予防運動指導員」と指導員を養成する「介護予防主任運動指導員」の2資格で、対象は介護サービスやフィットネス施設などの理学療法士や健康運動指導士、ホームヘルパー2級以上で実務経験2年以上の人などです。
 この介護予防運動指導員は、主任指導員を講師に指定された民間事業者が研修を行うことになっています。既に指定事業者としては、(株)日本医療事務センター(ニック教育講座)(株)コムスン、(株)ニチイ学館、日本化薬メディカルケア(株)、セントラルスポーツ(株)などが事業を開始しています。この受講対象者を見ると、医師・歯科医師・保健師・助産師・看護師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士・歯科衛生士・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士・介護支援専門員・健康運指導士等・訪問介護員2級以上で実務経験2年以上の方、などとなっています。体育・運動系では、健康運指導士等をはじめ体協のヘルスケアトレナー、プログラマーなどや健康運動実践者などの資格も組み入れられていますが、我々SC業界(水泳・水中運動)に関係のある資格で、体育教諭免許・水泳教師・水泳インストラクターやアクアフィットネスインストラクター資格では、どうやら受講する資格とはならないようです。仮に運動指導の実務経験があっても、先に掲げた医療系や福祉系などの資格がなければ、個人としても新たに参入する機会が閉ざされてしまっているのが実情です。
 さらに、今後は(社)日本エアロビックフィットネス協会や大学などとの連携も考えているとのことです。しかしながら、大変残念なことに水泳・水中運動関係である(財)日水連や(社)日本SC協会と連携するという声は聞こえてきません。水中では、「浮力」によって体重の負荷が減免するので、脚力の衰えた人でも動きやすい。さらに、水中での運動では、「抵抗」の作用によって効率的に筋力トレーニングが出来るので要介護者からプロスポーツのアスリートまでのリハビリやコンディショニングに最適であることは、今や世間一般の常識となっています。しかも、マシンによる筋トレに比べても一度に大勢の人が同時に同じ運動を行えるという利点もあり、ケガなども少なく安全性も高く、経済的効率性という観点からも優れていることは、衆目の一致するところでもあります。
 ただ不思議なことに、この介護予防業界では、『水系』は、全く想定外?!のことのようです。単純明快な勝利の方程式では、「ビジネスチャンスに、いち早く対応できる事業者は、当然のことながら、先行者利益をうることが出来る」と教科書では教えていますが、どの産業、どの業種にもあるように、超えなければならない『厚い壁』があるようです。「ポスト介護予防サービス」の優等生であるはずの「水中での運動」が、現状で世間から全く認知されていないということは、とても残念で不幸なことです。
勝ち組となるためには、業界関係者や学識者、業界団体が、三位一体となって百年に一度とも言うべきこのチャンスに一同団結して積極的に情報を発信し、具体的な行動を起さなければ、この国の将来に暗雲が立ち込めるばかりか、この先業界自体が暗くて深い川の底に沈んでしまうことは、必至ではないでしょうか!?
 新しい市場の開発や新たな健康サービス産業の創出には、当然のことながら「産みの苦しみ」が伴うことは必然ですが、「世の為、人の為になること」を行い続ける限り、必ずしや『厚い壁』を乗り越えることが出来ると、「水中運動バカ一代」は確信しています。なるほど、なるほど。今日はこの辺で。

(有)アクアヘルスコミュニケーションズ
大方 孝

 
 

 

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