AQUA HEALTH COMMUNICATIONS
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Vol.4 平成17年4月

 

2005年は、介護保険制度を5年に一度見直す年に当たります。今回の見直しでは、「給付の効率化・重点化を図る為の介護予防システムの構築」が大きな柱となっているのが特徴です。高齢者を社会で支える制度としての介護保険サービスは、この4年間で国民の間にも広く認知されてきました。利用者については、初年度の約150万人から16年度は約300万人と倍増しました。介護給付費については、初年度3.2兆円から16年度5.5兆円と拡大しています。また、社会的な環境は、いわゆる「団塊の世代」が65歳に達する2015年には高齢化率が25%を超えることが予想されています。この時点で、高齢者世帯の三分の一が独居となり、認知症の高齢者が150万人から250万人に増加する。という深刻な問題も予測されています。(「2015年の高齢者介護」報告書より)
このことから、高齢者がいきいき元気に暮らせる社会を築く為には、『予防重視型』の
介護予防システムの確立が何よりも求められる所以なのです。

介護予防の現状
「介護予防」の定義は、“高齢者ができる限り要介護状態に陥ることなく健康で生き生きとした生活を送れるように支援していこう”ということです。
 要介護の認定率は、全国平均では15.1%、全国で最高は徳島県の19.4%、最低は茨城県の11.3%(2003年度厚生労働省集計)となっています。市町村単位ではそれ以上の高率になっているところも少なくありません。また、一人当たりの給付費は、全国平均で20.6万円。沖縄県が最も多く27.8万円、最低が茨城県の15.9万円で、その格差は1.7倍となっています。 現在、わが国の高齢化率は19.5%で、高齢者人口は約2480万人に達しています。町村単位では高齢化率が24〜25%達するところもあり、そういう町村では要介護5の認定者がこれ以上増加すれば、介護保険制度が財政的に破綻する恐れがあると言われています。
要介護5の場合、年間に約600万円の費用が掛ると言われています。東京都武蔵野市は高齢化率が17.5〜18%という自治体ですが、寝たきりにさせないためには、「引きこもり」を予防しようということで、「ムーバス」という小型のコミュニティーバスを何路線か走らせています。民間のバス会社に委託して、バスに乗って買いものに行くなど、外出の機会を促すための施策です。市は1路線に2千万円を補助していますが、その根拠は1路線で寝たきりの高齢者3人が増えなければ元が取れるという計算だそうです。
 特に、加齢に伴って身体機能が徐々に衰える廃用症候群といわれる各運動器官の疾患は、骨、関節、筋肉などの機能が低下すると、関節症や筋萎縮で歩行が困難になって日常生活に支障をきたします。そうなると「転倒→骨折→寝たきり→痴呆」という負の連鎖に陥ります。この連鎖を断ち切るために各市町村では、筋力の低下を防ぎ、脚力を付け、歩行力を維持・強化するための筋肉向上トレーニング事業が行なわれています。
また、デイサービスセンターなどでも通所形式で体操やレクリエーションをして、昼食をとって帰るというプログラムを週に1回程度しています。このデイサービス事業を自治体が民間事業者に委託するケースも増えてきています。これも介護予防の一環でもあるのですが、ほとんど陸上での運動で、水中での運動は行われていないと言うのが現状です。
スイミングスクールなどの施設側にも諸事情もあると思われますが、積極的に介護予防として、高齢者の受け入れをしているところは少なく、そもそも受け入れようという気がないようです。しかし、確実に超高齢化社会に突入しており、今回の介護保険制度の改正によりビジネスチャンスがあることは確実です。事実、デイサービスセンターを運営している社会福祉法人等も週に1〜2回、市町村にある公営プールなどのコース借り制度を
利用して、水中歩行などを行うプールプログラムを取り入れたシステムを検討し始めています。

介護予防事業参入への取り組み
我々スイミングクラブ業界が自治体事業等の介護予防事業へ参入するに当たっての基本的なスタンスについて整理してみます。
 事業の趣旨は、「高齢者がいつまでも生き生きとした生活を実践できるように、地域社会のコミュニティーセンター機能としてスイミングクラブが新たな健康づくりのための水中のプログラムを開発・実施することで、健康で活力のある長寿社会の実現を目指す」というものです。
 事業の目的と目標は、「水中運動プログラムを開発・普及することで、市町村の介護予防事業を支援し、介護費用の軽減を図る」ということです。
この目的を市町村に対して明確にプレゼンテーションすることが必要となります。
@水中運動や水泳が健康によいということは、社会的に認知されていることですが、事業主体にそれをデータ(エビデンス)で示すことと、もう1点、介護費用の削減に寄与するという経済的効果があることを具体的に示すことが重要です。
Aプールが既にあるので、新たな設備投資が要らない(筋力トレーニングマシンを3〜4台購入すれば、最低でも200〜300万円必要)。
Bプールでの水中運動は一度に多人数が同時に行えるのでコストパフォーマンスがよい。参加者も水着さえあればできる。例えば他のレッスンをしていても、2コースあれば20〜30人参加でき、10人に1人ぐらいの指導員でよい。また、プロの指導員有資格者が指導するので『安全で、効果的で、楽しい』と言うことで、信用力が高く訴求力があります。
C老人医療費・介護費用の削減効果がある。これが一番大きなメリットです。
F県のH町を例にとると、人口2万7千人、高齢化率が22.4%、約6千人が高齢者です。F県の平均要介護認定率は18%ですから、それを当てはめると、H町の要介護認定者の推定が約1千1百名、その内介護予防の対象者となる要支援、要介護1および2までの人が550人と推定されます(要介護3以上は運動がかなり厳しい)。つまり、要支援、要介護1、2あたりの人に栄養指導や運動をしてもらい要介護度を進ませないというのが介護予防の趣旨です。介護費用は、要支援は月額6万円、要介護1は16万5千円で、限度一杯まで使う人が多いようです。F県の1人当たりの介護給付サービス給付額は、24.5万円です。この額が支給されるとして、このH町の介護給付費の合計は、月額約2億7千万円、年額が約32億円程度と推定されます。また、要介護2までとしても1人平均16万円として月に約8800万円、年間11億円ぐらいと推定されます。筋力(大腰筋)トレーニングの効果の実例として、茨城県大洋村では、筋トレをした人としなかった人の医療費の追跡調査を行なっています。それによると、筋力トレーニングを実施した人は年間15万円ぐらい少なかったそうです。H村の550人にこの数字を当てはめて類推すれば、医療費だけでも8300万円余りが節約される勘定になります。
 国民総医療費は約31兆円です。70歳以上の方の一人当たりの医療費は年間85万円ぐらいかかっています。70歳以下では一人当たり16万5千円ぐらいです。70歳以上になると、なんと5倍以上に上がっています。この人たちが運動をすることで年間15万円節約できるとしたら、H町の場合、要介護認定者1100人です。この人たちが運動をすることで、1人当たり年間15万円節約できるとしたら、15万円×1.1千名で、約17億円の節約になるのです。
これを全国的に考えれば、如何でしょうか。単純には結論を下せませんが、医療費と介護費用がそれぞれ削減できることを考えれば、膨大な金額の削減につながることが考えられます。   なるほど、なるほど。今日はこの辺で。

(有)アクアヘルスコミュニケーションズ
大方 孝

 
 

 

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